動脈硬化とは?血管が老化するとどうなる?原因・症状・予防法まで解説

動脈硬化とは?血管の“老化”が進む仕組み
動脈硬化とは、血液を全身に運ぶ「動脈」が徐々に硬く、血管の中(内腔)が狭くなっていく状態を指します。血管は年齢とともに自然に老化しますが、生活習慣や持病の影響を受けることで早く進行する場合があります。
本来、血管はしなやかで、内腔を血液がスムーズに流れる構造になっています。しかし、血管に負担がかかり続けると血管壁が厚くなったり、コレステロールが沈着して内腔が狭くなる事で、血流が悪くなります。
この状態が進むと、心臓・脳・腎臓など生命維持に欠かせない臓器への血流が低下し、重大な病気につながる可能性があります。
動脈硬化は初期には痛みなどの自覚症状がほとんどなく、気が付かないまま進むことが多いため、“沈黙の病気”とも呼ばれています。
動脈硬化が進むと身体で何が起きる?
動脈硬化は見た目では分かりませんが、身体の内部でさまざまな影響を引き起こします。
まず、血管内腔が狭くなることで血流が悪くなり、臓器に十分な酸素や栄養が届きにくくなります。特に心臓に血液を送る「冠動脈」の内腔が狭くなると、胸の痛みや圧迫感が出る“狭心症”の原因になります。さらに突然閉塞する事で“心筋梗塞”を発症し、突然死したり、入院して治療が受けられたとしても、心不全等の様々な後遺症が残るなど、命や人生に関わる状態となります。
また、脳血管が閉塞すると“脳梗塞”を引き起こし、こちらも突然死したり、助かったとしても麻痺や言語障害などの様々な後遺症が残ります。動脈硬化により腎臓の血流が低下すると“慢性腎臓病(CKD)”が進行し、むくみや貧血等の症状を引き起こし、末期になると人工透析が必要となります。
足の血管内腔が狭くなると歩行時の痛みや痺れを引き起こし、重症化すると壊死する事があります。
つまり動脈硬化は、心臓・脳・腎臓・足など全身に影響を及ぼす病気であり、自覚症状の乏しい早期から予防する事がとても重要です。
気づきにくい動脈硬化の初期症状
動脈硬化は初期には明らかな症状が出ないことが多いですが、進行すると次のような症状が見られることがあります。
- 階段や坂道での息切れする様になった
- 胸が重い・締めつけられる
- 頭が痛い・重い、めまいがある
- 足が冷たい・痺れる、歩くと痛い
- 夜のトイレが近い
こうした症状は「疲れているだけ」等と判断しがちですが、動脈硬化が背景にある場合も珍しくありません。
特に、健診等で高血圧・糖尿病・脂質異常症 等の生活習慣病を指摘されている方は動脈硬化が進みやすいため、些細な変化でも一度医療機関を受診しておくと安心です。
動脈硬化を進める原因(生活習慣との深い関係)
動脈硬化は加齢だけではなく、生活習慣によっても大きく進行します。
✔ 高血圧
血管に強い圧力が掛かり続け、血管壁が厚く・硬くなります。
✔ 高血糖(糖尿病)
高血糖により血管が損傷し、炎症や酸化ストレスを引き起こす事で動脈硬化を促進します。
✔ 脂質異常症(LDLコレステロール、中性脂肪が高値等)
余分な脂質成分が血管内腔に沈着する事で、動脈硬化を引き起こします。
✔ 喫煙
肺気腫や癌も引き起こしますが、動脈硬化を進行させる要因です。
ニコチンや一酸化炭素により血管内腔が損傷、収縮し動脈硬化や心疾患を引き起こします
✔ 運動不足、肥満
血圧・血糖・脂質に悪影響を及ぼし、動脈硬化の進行につながります。
✔ ストレス・睡眠不足
自律神経が乱れ、血圧上昇やホルモンバランスの変化を引き起こします。
これらの要因は単独でも動脈硬化を進行させますが、複数当てはまる場合はよりハイリスクとなる為、生活習慣の見直しが非常に重要です。
動脈硬化はどうやって見つける?検査と受診の目安
動脈硬化性疾患を評価する方法はいくつかあります。
- 血液検査(コレステロール・血糖値の確認)
- 血圧測定
- 心電図
- 心エコー(心臓のサイズ・動きや血流の確認)
- 頸動脈エコー(血管壁の厚みや内腔の狭窄等を測定)
- ABI検査(血管の硬さや詰まり具合を評価)
無症状でも、以下に当てはまる場合は一度検査を受けることをおすすめします。
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症を指摘されている
- 喫煙歴がある
- アルコールを多量に摂取する
- 血縁者に心臓病・脳卒中の方がいる
前述した症状が現れたら動脈硬化が進行している可能性があるので早期に受診しましょう。
動脈硬化は、予防や治療により早い段階で進行を抑制出来れば良いですが、進行すると不可逆となり、重症化します。
今日からできる動脈硬化予防
動脈硬化は生活習慣の改善によって進行を遅らせることが可能です。
- 塩分を控えめにする
- 野菜・魚・大豆製品を取り入れる
- 毎日少しでも体を動かす(まずは10分のウォーキング等から)
- 禁煙を検討する
- 飲酒量を見直す
- 睡眠時間や質を整える
また、健診等で定期的に血圧・血糖・コレステロールを把握しておくことは、動脈硬化の早期対策に直結します。
まとめ
動脈硬化は“血管の老化”とも呼ばれ、誰にでも起こり得るものですが、放置すると心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる病気につながることがあります。初期にはほとんど症状がなく、気付いた時には重症化している事も珍しくありません。
しかし、動脈硬化は生活習慣の見直しや適切な治療によって進行を遅らせることができる病気です。症状のある方は元より、無症状でも高血圧・糖尿病・脂質異常症を指摘されたことがある方、喫煙習慣のある方、血縁者に心臓病や脳卒中等の動脈硬化性疾患の方がいる場合は、早めの対策が大切になります。
安藤医院では、動脈硬化や心臓の状態を丁寧に評価し、お一人おひとりの生活背景に合わせた予防と治療を行っています。「息切れ等の症状がある」「健診で数値が悪かった」「動脈硬化が心配」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
日頃の小さな意識付けが、将来の大きな病気を防ぐことに繋がります。
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